そのときの背中が、瞬の見た最期の父親の姿だった。

戦争では、人造人間の勝手な行動により、寅は死んだ。

その戦争から12年経った今、瞬は17歳。

「しゅーん。どうだ?35号の調子?」

「あと少しだよ。薬を入れるだけ。」

「瞬君、買ってきたわよ。メタミドホス。」

同じ研究仲間の友達イフ、恋人のエルに囲まれ35号の開発に日を潰していた瞬。

「おい、エル、それ、農薬じゃね?」

「うそ!?間違えた・・・?」

「いいのいいの。これを入れれば、前の自分を忘れることが出来るんだ。」

エルの取り出した薬を手に取り、一滴機械に垂らした瞬。