彼を連れて職員室を出る。
さっさと教室に行こうとした瞬間、彼に腕を掴まれた。

「どうかした?」

「へぇ~お前がこの学校の生徒会長か」

「何か悪い?」

「別に、早く案内しろよ」

「君が離してくれないと歩けないよ」

「はいはい」

彼は腕を離してくれた。
僕は歩きだす、その後ろから彼も歩く。

「国狭君はどこから転校して来たの?」

「イギリスからだ」

「イギリスって・・・帰国子女?」

「そうだぜ、だから日本の事色々教えてくれよ、奥奈馨」

「あのさ・・・僕の名前なんで知ってるの?」

「・・・・・・」

そう質問すると彼は黙ってしまった。
どうしたんだろう・・・と思いチラッと顔を見ると彼は少し笑っていた。

「!?」

「なんで知ってるか・・・教えて欲しいか?」

「うん、教えて」

「だったら自分で考えろ、それでも分からなかったら教えてやるよ」

「はい?」

「期限は3ヶ月、それまでに分からなかったら罰ゲームな」

「ちょっ!」

ニヤッと笑って彼はさっさと歩いて言ってしまった。
僕はすぐに彼を追いかけた。
分からない・・・だけど、どこかで会った事があるような・・・


そんな事を考えながら教室に入るとシーンと静まり返った。
僕は教卓に立って紹介をする。

「今日からここのクラスに入る事になった国狭海斗君だ」

「よろしく(ニコッ」

そう笑うと女子が騒ぎ始めた。
はぁ・・・さきが思いやられる・・・