「おい、聞いてるのか?」

「あっはい」

「ったく・・・」

その人はメチャクチャ不機嫌そうに呟く。
制服を着ている。
その制服は僕と同じ黎明高校のものだった。

「あの・・・黎明高校の人ですよね?」

「あ?あぁ、まっ今日転校してきたんだけどな」

「そ、そうなんだ」

「ふ~ん・・・お前も黎明なんだ」

「あっ・・・はい」

その人は意地悪そうに笑う。
でも、僕はそう顔に見入ってしまう。

「ま、宜しくな・・・奥奈馨」

「えっ!?」

もう一回彼の顔を見ようとするが・・・彼の姿がなかった・・・
彼は・・・一体・・・





学校に着くとすぐに教室に向かう。
僕の教室は優秀な奴しか入ることの出来ない特別な教室だ。
ま、楽しいクラスだけど
教室に入るとすぐに友達が近づいて来た。

「よっ奥奈、おはよー」

「おはよう」

「今日は顔色良さそうだな」

「そうだね、天気が良いし」

「姫が元気そうで我々は嬉しいです!」

「姫って言うな!」

そんな他愛も無い話をしていると、放送がかかった。
僕は先生に呼ばれた。

(何だろう・・・?)

僕はすぐに職員室に向かう。
だが、先生は居らず校長室に行くよう言われた。
校長室へ行きノックをして中に入る。

「失礼します」

「やぁ、奥奈君」

校長先生が笑顔で挨拶をしてくれた。
校長先生の前に誰か座ってる。

「あの・・・何かありましたか?」

「あぁ、今日から君のクラスに転校生が入ることになってね、紹介しよう、転校生の国挟 海斗君だ」

そこに居たのは・・・

「やぁ、また会ったな」

さっきの彼だった・・・