「ん・・・夢か・・・」

目が覚めベッドから起き上がる。
カーテンを開け朝日を浴びる。

「良い天気だ」

僕はベッドの近くに有る台の上に乗っている水と薬を持ち上げ飲む。
コレが毎日の日課だ。

僕の名前は奥奈 馨(おくな かおる)黎明高校に通う2年生
高校生になってからあまり病気をしなくなったので薬は減った。

「さて、制服に着替えて朝ごはんを食べないと」

僕はさっさと高校の制服に着替え鞄を持ち自分の部屋を出る。
俺は部屋を出ると一人の女が近づいて来た。

「おはようございます、馨様」

「あ、うん・・・おはよう」

僕は世界に誇る奥奈財閥の跡取り息子
そのせいか家はデカく家にはメイドや執事が沢山居る。
その一人の女だ

「今日の朝食は?」

「北海道産の牛乳とブルガリア産のヨーグルト、新潟産で作られたお米の米粉パンです。」

「そう・・・分かった」

居間に行くともう父さんが席に着いていた。
母さんはいない・・・浮気をして出て行ってしまったらしい。

「・・・おはよう、父さん」

「あぁ、おはよう」

「今日も遅くまで仕事?」

「あぁ・・・すまんな、一緒に居られなくて」

「別に大丈夫だよ、頑張ってよ」

「頑張るよ、私は先に出るからしっかり食べて学校へ行くんだぞ?」

「分かったよ、いってらっしゃい」

父さんは僕にニコッと笑い出て行った。
いつもの事なので慣れている。
僕はさっさとご飯を食べ鞄を持ち家を出た。

「いってらっしゃいませ、馨様」

「行って来るよ、留守番頼むね」

「分かりました」

そう告げて僕は自転車に乗って学校へ急ぐ。
僕の家から学校まで10分もかからない。

(今日も帰りに図書館に寄ろう、あの本貸し出されてるかな?)

そんな事を思っていると前から人影が現れた。
僕はとっさに急ブレーキをかける。
なんとか人を轢かないですんだ・・・

「危ない・・・」

「危機一髪・・・ちゃんと前見て運転しろよ」

「あ・・・すみません・・・」

僕はその人の顔を見て誤ろうと顔をあげる。
そこに見えたのは・・・黒と金の瞳を持ったモデルのような少年が居た。