君と奏でる音

航平side

バックとギターを抱えてバスに乗り込んだ。

ギターは中2ぐらいから初めて今では結構上達したと思う。

俺が入ってる部活は軽音部とかいって

1人で練習するには最適の場所だと思う。

理由は、俺以外にメンバーがいないから。

もともと、俺は群れたりするのが嫌いで

教室でもほとんど1人でいることが多い。

彼女はいないものの、コクられることは少なくはない。

別に自慢じゃないけど・・・

だけど、どうせ女子というものは顔で大抵決めている。

だから、女子は嫌いだ。

そういえば、今日入部希望者の1年生が来たな・・・

初めてでびっくりしたけど、そっけない態度をした。

別にわざとじゃないけど、女子だから少し抵抗があった。

久しぶりに女子と喋ったけど、あんまり楽しくなかったな。

そんなことをブツブツ言ってたら周りから変な目で見られてた。

俺はそれが面白くて、でも笑いを押し殺しながらバスを降りた。

家に着いたのは午後8時。家にはだれもいない

おかえり、なんて誰も言ってくれない。

親は俺を捨てて出て行った。

小さいころから俺は虐待を受けてきた。

それは親父から。酒を飲んでは暴れだす、最初は小さいからか、親父を信じていたが

年を重ねるたびにその思いは怒りに変わっていった。

そして、中学生になったときにある異変に気付いた。

お袋は親父の暴力が耐えられなくなってきてたみたいで、

俺が知らない間にうつになっていた。

気づいた時にはもう深刻な状態になっていて、

でも変わらず親父は、今まで通り暴れてる。

俺は、お袋に実家に帰って休むように言った。

お袋は俺のことをひどく心配していたようだったけれど、

夏休みの時に実家に帰って行った。

そして、その後俺は家を出て、友達の家に泊めてもらうようになった。

でも、さすがに友達に悪くて街をぶらぶら歩いてたら自給の良い仕事を見つけた。

それは、ホスト、という仕事。売れるか分かんないけど

やるだけやってみようといったら受かっちゃって、

今でもあそこで働いてる。