君と奏でる音

そ~とドアを開けて中をのぞいてみた。

そこにはギターを抱えた男子が1人いた

「すごーい。ギターってカッコいいなぁ」

つい、思ったことを言ってしまった。

あわてて口をふさぐとギターを弾いてた男子が

弾くのをやめてこっちを見た。

「君、誰?」

低くて透き通る声で聞いてきた。

その子は男子なのにきれいな顔立ちをしていて

一目惚れしてしまいそうだった。

「え~と、あたしこの部活希望者です。よろしくお願いします。」

頭をあげると男の子はまだあたしの方を見てたけど

すぐに、またギターを弾き始めた

「なによ、せっかく頭まで下げてやったのに。」

なんて小声でブツブツ言っていたら

また男の子がこっちを向いて

「普通、希望者だったら名前とか、入りたい理由とか言うべきじゃないの?」

やばっ!忘れてた。今ので絶対嫌われたかな~?

「すみません。あたしの名前は武井由美です。入りたい理由は・・・」

どうしよ~、正直に楽な部活そうだったからなんて言えないよ~

「え~とですねぇ・・・それは「楽な部活だから?」

げっ!図星だよ~。どうしよう

「別にいいよ。新入生に期待なんかしてないし。あっ、ちなみに

なんか出来る楽器ある?」

うわ~なんかむかつく先輩だな。ま、いいけど

「一応、ドラムやってます。」

どうだ、みたいな感じで言ってみた。けど

「ふ~ん、そう。」

あ~ほんとムカつく!

「先輩の名前教えてもらっていいですか?一応後輩ですし・・・」

別に興味なんてなかったけど聞いといても損はなさそうだし。

「あ、俺?俺の名前は速水航平(はやみ こうへい)。楽器はギター担当。

他に質問はある?」

速水航平か~、性格を直せばモテるんだろうな。なんて失礼なことを考えてたら

「この部活は君が考えてる通り、楽な部活だよ。好きな時に来て好きな時に帰っていい。

ま、他に分かんないことあったらいつでも聞いてよ。」

そういってまたギターを弾き始めた。

ムカつくけどあんまり関わらないようにすればいいや、

じゃ、入部決定でいいとするか

そうして、部屋から出て家に向かった。