「遥。何かあったら、スグに言えよ??」

夜。
元々そんなに多くはない荷物を
持ちながら森は、
何度目かもわからない言葉を
吐いた。



「森、しつけぇし、うぜぇ…」

「心配してんだろ!?」

んなことくらい、
わかってるっつーの。


「大丈夫だって。………たぶんな」

「………たぶん、かよ」

「100%とは言い切れねぇな」

なんたって相手は、女だし。


「とにかく、念には念を入れること!!わかったか!?」

「わーったよ。いい加減、しつけぇ」

「……………おやすみ。遥」

「おぅ!! また明日な?」


……………なんか、
不思議な感じだな。

森を見送るって、
今までじゃぜってぇ、
あり得なかったわけだし。