「とりあえず……手、放してもらってもいいか?」 「あ、うん。ごめんね……」 「琉美、教科書は? あるのか?」 「届くの、来週なんだ。遥君。見せてくれる?」 「俺、教科書、使わねぇから貸すよ」 「………使わないの?サボり?」 「必要ないって意味」 「…………?」 意味がわからない… といった様子で琉美は、 首を傾げた。 ………そんな小さな動作ですら、 かわいくて仕方なかった。