凌はあまりしゃべってくれない
私と目を合わせようとしない
山本さんとはどうなったの?そう聞きたいのに私は聞けないでいた

シーンとした中で凌がタバコを吸っている

「さっきの誰?」

「えっ?」

健太くんといるのち所を見ていたらしく、
なんて答えていいのだろう
あの時のことは言えない
どうしようと悩んでいたら

「誰よ」

機嫌が悪い

「友達」

「へーお前白樺の友達なんているんだ。親しそうにしゃべってたよな」

「何が言いたいの?はっきり言えばいいじゃん」

「はあ?何キレてんの?やましいことあるんじゃねぇの?」

「…」

何も言い返せない

「俺と連絡取らない間何やってたんだよ」

言えない。私が犯されそうになったことだけは言えない

「凌だって私がいない時山本さんと、親しくしてたんでしょ。だったら一緒じゃん」

ガサッ

凌は頭にきて私を押し倒した

「嫌。やめて…、怖い、怖いよ」

私は恐怖のあまりにまた体が震えだし、
凌を拒否し押し倒してしまった
涙が溢れだし、ブルブルと震えている

「何があったのか言え」

凌がキレた。初めて私に怒鳴った
それがまた私を恐がらせた

「言ってくれねぇとわかんねぇよ」

凌が肩を落とし、
先ほどとはまったく違う優しい声で言った

もうダメだ。このまま黙っていたら凌を苦しめる
言おう
軽蔑されてもいい
別れるって言われてもいい
これ以上隠しておけない。私は決意した