次の日。私は遅刻して学校に行った

教室の戸を開けた瞬間、クラスのみんなが私を見た
多分顔の腫れを見て驚いているんだろう
由里も驚いた顔をしている
この時ばかりは凌が教室にいないことがラッキーと思ってしまった

休み時間、由里がきて

「顔…」

「あっ、ひどいよねぇ。女の顔殴るなんて」

「ごめん。知らなくて学校来いなんて」

「そうそう由里が来いっていうから」

私は気を使わせたくなくて笑って誤魔化した

ガラッ

「凌…」

凌が険しい顔をしてこっちに来る

そして私の顔見て驚いている

「ちょっと来て」

手を引っ張れた時、

ビクッ

体が凌を拒否してしまった

何かに気付いたのかそれ以上触れてこなかった

「何があった?」

屋上に着き凌はすぐに口を開いた

「何もないよ。転んだの」

「転んだだけで、そんなに顔腫れるのか」

「だって顔からつまずいたんだもん」

「なんで嘘つく?俺に言えないこと?」

言える訳ない
言ったら凌はどんな反応する?汚いって思うんだ

「いた!凌先輩~」

また山本香織が現れた

「何しに来たんだよ。来んな」

「ひど~い。金曜日、亜美先輩いなかった時あんなに優しくしてくれたのにぃ~」

はあ?そうなの?私がいないと凌は山本さんに優しいの?

「話はそれだけ?私行くね」

「亜美先輩さよーなら」

「亜美、待てよ」

「イヤッ」

まただ。またあの恐怖を思い出す。私はまた凌を拒否してしまった

「あっ…ごめん、私教室戻る」

「亜美…」

愛しい凌の声
私の名前を呼んでくれるその声で罪悪感を感じてしまう
私は振り向きもせず教室へ向かった