「もしもし、由里?」

私は、すぐに由里に電話をした

『見た?』

「うん・・・」

私も由里も健太達を見たことで感無量というか、言葉を失くした状態で、胸がいっぱいだった

『懐かしかったね・・・亜美、ちゃんと見たんだね』

「うん、ちゃんと見てたよ。由里が教えてくれなかったら、私知らないままだった」

『そっか・・・よかった。どう?見た感想は?』

「うん、泣いちゃった」

『私も泣けたね』

由里も祐介くんを見て泣いたんだね

「もう私達の手の届かない人になっちゃったね」

『そうだね・・・あっ、健太くん指輪してたね』

「うん・・・まだしてたね」

『亜美をまだ好きな証拠だよ』

「どうだろ・・・」

お互い好きでも、どうにもならないんだ

『ツアーやるみたいだよ』

「ツアー?」

『うん。もしかしたらここでやるかもね。絶対見に行こうね!』

「うん、来ればの話だけどね」

来てほしい・・・とは思うけど、会いたいけど、もう会っちゃ行けないような気がするんだ

これだけ有名人になってしまったから、そう簡単に合える訳もないし・・・

「じゃあ、私寝るね」

『うん、明日ね』

私は由里と電話を切り、ため息をついた

健太が指輪をしていたこと思い出し、いろんなことを考えた

指輪が外れなくなったからしているかも、鍵がなくなったからかも、いろんなことが頭の中を駆け回る

私のことをまだ好きだなんて絶対ないと思っていた