健太の携帯に私からの着信履歴が残っているはずなのに、健太からの連絡はなかった

私はこれで本当に健太と終わったんだと確信した

空港で私達が会えなかったことはもう決まっていたことで、運命だったんだ。そう思うしかなかった

ガチャ

「凌」

凌に連絡することを忘れていた

「連絡くれねぇし」

「ごめんね。帰って来たばっかりで」

「亜美のお母さん、勝手に上がってって言うから入ってきた」

笑いながら凌はベットに座った

「会えたの?」

「えっ?」

「空港行ってたんだろ?」

やっぱり凌はわかっていた

「ごめんね」

「会った?」

「会えなかった」

「そっか」

凌は窓の方を見ている

「私、凌とは」

「別れるって言いたい?俺は別れない」

何を言おうとしたのか、私の気持ちを凌はわかっている

「昨日の夜、川崎さんから電話来たんだ」

「えっ…」

「亜美を頼むって。亜美をもう泣かせないでくれって。いつも傍にいてあげてほしいって」

健太…どうしてそこまで私を思ってくれるの?

「だから約束したんだ。幸せにしますって」