今日は健太達3年生の卒業式

私は『おめでとう』と言えず、健太が卒業証書をもらうのを遠くから眺めていた

私といた頃の健太と何も変わっていなく、私の大好きだった笑い方だった

そんな姿を見ていると胸が熱くなり、喉の奥が痛くなって、鼻がﾂｰﾝとしてくる

もうこの学校に来ても健太に会うこともなく、この町ですれ違うこともなくなる。健太は東京という道を選びここからいなくなってしまう

別れていなかったらどうなっていたのだろう。私はどうしていたのだろう

そんなことを考えながら、健太の背中を見ていた

卒業生退場の時、健太は私の横を通り過ぎて行った。私は健太の目を見ることが出来なくて、最後まで逃げてしまった

でもこれで良かったんだ、と思った

今日の夜、私は凌と坂下と由里で最後の『Blacks』のﾗｲﾌﾞを見に行く

ちゃんと最後まで見届けよう、そう決め待ち合わせの場所へと向った