ガチャ

また扉が開く音が聞こえ、学くん?と、思ったら凌だった

「ごめん。けんかしてたわ」

「誰と?まさか由里?」

「そう」

「なんで?」

「くだらねぇの。あれは慎の嫉妬だな」

「なんで?」

「クラスの鈴木と仲良くしてて、それが悪いって」

「坂下らしいね」

思わず笑ってしまった

「必死なんだろ。奪ったようなもんだからな。俺と慎は」

「そんな…」

「だから離したくないし、近寄る男が許せないんだろ」

凌は遠くの空を見上げながら言った

「凌もそうなの?」

「俺?俺も必死かな」

私は後ろから凌に抱き付き、

「大丈夫だよ」

これ以上凌を苦しめたくなくて、安心させたかった

「亜美」

後ろから手を回している、私の手を握ってくれる

「ありがと」

そう言って、もっと強く握ってくれた

「川崎さんにはもう渡さない」

凌は絶対に私の手を二度と離さないだろう。私はそう思った