修学旅行の回復日のため３日間、学校が休みだった。その間、由里と祐介くんも別れた。すぐには別れられず、由里は一度祐介くんの所に戻ることも考えたが、やっぱり祐介くんと別れ、坂下の元へと行った

あとから由里に聞くと、健太がかなり落ち込んでいてﾗｲﾌﾞの練習もずっと休んでいると言っていた

私はもう何も出来る訳もなく、その話しを聞くたびに胸が苦しくなった

昨日、雑誌社の田村さんから『雑誌ができたわよ』と、電話があり私は駅前の喫茶店で田村さんと待ち合わせをし、これから会うことになった。凌にはちゃんとこのことを話し、あとから凌の家へ行く約束をした

窓際の席が空いていたので私は歩く人達を眺めながら、田村さを待っていた

「こめんね。待った？」

「こんにちわ。待ってませんよ」

「あれ？川崎くんは？」

まだ別れたことを言っていないので田村さんは健太がいないので不思議そうな顔をしていた

「別れたんです」

「えっーなんで？何があったの？」

田村さんはとても驚き、一度水を飲み、落ち着かせてから私を見た

「私が悪いんです。健太は何も・・・」

そう話し、田村さんを見ると沖縄の楽しかった思い出が頭の中に浮かび、涙が溢れてきた

「亜美ちゃん、ちゃんと説明してくれる？」

私の顔を除き込み、心配そうに田村さんは言った

「前の彼氏と修学旅行中にいろいろあって、私が別れを選んだんです。健太を私が捨てたんです」

周りに人がいるのも忘れ、私は泣いていた

「川崎くん、何か言った？」

「健太は…何も言わなかったです。私、健太に謝ることも出来ないで別れたんです」

「亜美ちゃんが出した答えよね？」

「は…い」

「だったら、もう後悔しないこと。突然でびっくりしたけど、考えて出した答えよね？だったら、もう前を見なきゃ。雑誌を２人で見てくれることが良かったけど、こればっかりは２人の問題だから仕方がないわね」

「すいません」

私は頭を下げた

「ほら、顔を上げて。泣いてたらかわいい顔が台無しよ」

田村さんは私にとても優しく声を掛けてくれた。私は田村さんさえも裏切ってしまった