5時半には家を出ないといけなかった。私は早く起き、健太を起こさないように準備をしていた

「亜美・・・」

「ごめんね。うるさかった?」

「いや、俺も駅行くわ」

「えっ!いいよ。寝てて」

「やだ。寂しいし」

クスッ

その言い方がかわいくって笑ってしまった

「笑うな」

恥ずかしそうに顔を隠し、健太も出る準備をした

「忘れ物ない?」

「うん、ないよ」

健太は私の前に来て、顔を傾け私にキスをしてくれた。そして首に健太のものである印を付け、

「少しの間寂しいけど我慢するわ」

そう言って深いキスをし、離れていても大丈夫という安心をもらった。私は健太に抱きつき健太の匂いを忘れないように刻み込んだ

「行こう」

「うん」


早い人はもう来ていて、親に送ってもらったり一人で来たりとさまざまだった

「亜美!」

「由里、おはよう」

「やっぱり健太くん来たんだね」

由里の後ろを見ると祐介くんも来ていて、由里を見送りに来ていた

「健太は来ると思ったよ」

祐介くんに言われて

「あたり前」

フッと笑い、私の手を握った

「なんかあったら俺に電話するんだぞ。北海道だからすぐには行けないけど」

「来てもらうもん」

私のおでこを軽く叩き、

「帰り迎えに来るから連絡して」

「うん。わかった」

たったの5日間なのにとても寂しくなってしまった。今年に入ってこんなに離れることがなかったため、修学旅行に行きたくない、と思ってしまった

「健太ぁ」

「泣くなよ」

「だってぇ。行きたくない」

「楽しんで来い」

健太の優しい笑顔を見ると余計に行きたくない

「ほら、集合」

私は健太の手を離したくなくて、ずっと握っていた

「亜美、行くよ」

由里が向こうで呼んでいた

「気をつけろよ」

「うん。行ってくる」

ンッ

健太はそのまま私の手を引っ張り、私を健太で隠し、私の腰に手を回し優しくキスをしてくれた

「じゃあな」

私は後ろ髪を引かれる思いで、健太に手を振ってホームへ降りて行った

「バカカップル」

健太はまた祐介くんにそう言われていた