やさしい手のひら・前編【完結】

「亜美だけは渡せねぇ」

健太は真剣な顔して、凌に言った。凌はまた下を向き拳を握っていた

「凌、あの子を追いかけて」

私はこんな言葉しか凌に言えなかった

「好きでもない奴と付き合えねぇよ」

「私は凌のそばにはいれない・・・でもあの子なら凌のそばにいてくれる」

私の精一杯の言葉だった

凌が私の顔を見て

「なんで川崎さんなんだよ」

悔しそうに強く拳を握り、その手が震えていた

「凌、ごめんね・・・」

私はそう言い、健太の手を引き歩き出した