やさしい手のひら・前編【完結】

私の手を握り締めながら

「修学旅行の方進んでる?」

「うん。あと一週間しかないからね」

「明日もあるの?」

「あるかな」

「明日は練習ないから待ってるわ」

「遅くなってもいいの?」

「いいよ」

今日のことがあり、明日健太が待っていてくれることにホッとしてしまった

「明日は帰り映画でも見に行くか」

「うん!」

私を見ながら口を上に上げ微笑んでくれた

健太といると先ほどの嫌な気持ちなど忘れてしまっていた