やさしい手のひら・前編【完結】

健太は真っ直ぐ田村さんを見て話した。あの時のことを健太は言わないでくれた

「でもその時、亜美には彼氏がいて、いつも彼氏の隣で笑っていて…亜美が幸せならそれでいいと思ってました」

きっと健太はあの時の本当の気持ちを言っている。あの時の私は健太のことを考える余裕などなく健太を傷つけていたんだ

「そうなんだ、辛い恋をしてたって訳ね。亜美ちゃんに彼氏がいたのになんで健太くんと付き合ったの?」

古い傷をえぐられたかのように胸が苦しくなる

「亜美がいろいろあって、その時俺がそばにいて…それからです。付き合いだしたのは…」

「健太くんが慰めてあげてたのね。亜美ちゃん?健太くんといてよかったんじゃない?健太くんはほんとに亜美ちゃんを大切にしてるよね?」

「はい!すんごく大事にしてくれてます」

それは本当のことであって、私は健太に大事にされている

「独占欲が強いかもしれないけど、亜美を誰にも取られたくなくて、誰にも触らせたくなくて・・・」

健太の言葉に私はどんなに大切にされているか本当によくわかった。独占欲じゃない、これが私への愛なんだと私は思った