やさしい手のひら・前編【完結】

「今、4時だから、6時半にまたロビーに集合してくれる?取材も含めて晩ご飯を一緒に食べましょ」

「はい、6時半ですね」

「健太くん、くれぐれも遅刻しないように」

田村さんはニヤニヤしながら健太に言った

「じゃあ、あとでね」

泊まる階が違うため、田村さん達は先に行ってしまった

「ねぇ、なんで田村さんニヤニヤしてたの?」

「亜美は知らなくていいの」

「教えてよー知りたいっ」

「だ・か・ら 亜美とヤッて遅刻しないでねってこと」

えっ?田村さんがそんな・・・恥ずかしい

「ほら、聞かない方がよかっただろ」

「だってぇ、知りたかったんだもん」

「よし、上がろう」

手を繋ぎ私達は部屋に向かった

10階まで行くのに途中、人が降りたり乗ったりですぐには部屋には行けずにエレベーターは何度も止まりながら、やっと10階へ辿り着いた

「ただいま」

私は緊張と海で遊び過ぎて、疲れてベットに転がった

「疲れたね、健太」

「うーん、俺はあんまり疲れてないかな」

「私緊張してたからかなぁ」

そう言ってる間、健太はお風呂にお湯を貯めに行ってくれていた

「お湯貯まったらお風呂入るぞ」

「うーん」

自分の腕を見てみると、ほんのり赤く日に焼けていた。日焼け止めを塗っていたけど、沖縄の太陽には勝てなかったようだ

健太は日焼け止めを塗っていないので、私以上に真っ赤だった

眠気を覚ますため外に出て、夕日を見に行った

「きれい」

涼しい風と穏やかな波の音が私の眠気を落ち着かせ、今日は楽しかったなぁと思い出させた。海がオレンジ色になっていて、私は携帯を取り写真を撮った