映画館に着き、どの映画を見るか悩んだ

私が恋愛のポスターを見ていると

「見たい?」

凌が聞いてきた

「うーん、凌は何を見たい?」

「亜美が見たいのでいいよ」

そう言って私の手を引き恋愛映画の中へ入って行った

思っていたより人が多く、カップルばかりだった

私の右側にはやっぱり凌がいて、
私の右手を握って私の方に寄り添っている

チラッと見ると、

「なに?」

と言って笑っている

そんな空間が私には居心地いい

ストーリーが切なく、私はクライマックスで号泣してしまった。そんな私を見て

「亜美、自分と主人公重ねたろ?」

「……だってぇ。凌がいなくなったらって考えたら…グスン」

「バーカいなくなんねぇから」

わかってる。あれは映画だし、わかってるけど考えてしまった

「もう泣くな」

凌はポンッと私の頭を触った

凌は優しい
自然にやっているのかもしれないけど、
私はどんなことでもたまらなく幸せな気分になれるんだ