「何欲しいの?」

「うーん・・・何と言われても悩むんだよね。ただブラブラしていいのがあったら買うって感じかなぁ」

「あっ、俺ワックス買わないと!」

「朝、ないって言ってたよね」

朝ないないって騒いでいたんだ

「じゃあ先にドラック行こう」

私の手をギュッて握るその手はとても大きくて、たくましくて、そんなことを考えながら健太の顔を見ていた

「なした?」

「あっ、ううん。なんともないよ」

いつもように口を上に上げ微笑む

「亜美ここでなんか買うの?」

「口紅買おうかな・・・あと香水と・・・」

「なーんだ、買う物いっぱいあるじゃん」

「うん」

いざ買おうと決めて化粧品の前にいるけど、どの色もかわいい色でブツブツ喋りながら選んでいた

「亜美ちょっと」

健太の方に振り向き

「うん?」

「この色似合うと思う」

と言い、私の顎を持ち上げ試供品の口紅を私の唇につけようとしている。健太の顔が私の顔の目の前にあって健太があまりにもかっこよくて私の心臓がドキドキと高鳴る。キスをする訳じゃないのになんだか緊張してしまい、どこを見ていいのか恥ずかしくなった

「亜美、目泳いでる」

「だって健太の顔が目の前にあってどうしたらいいのか、わからなくて・・・」

「俺の方が恥ずかしいんだけど。ほら、鏡見てみろ」

健太が付けてくれた口紅はほんのり色が付くかわいいピンクで私も好きな色だった

「なっ、似合うだろ。俺が買ってやるから」

「いい。自分で払うよ」

そう言っているのにまた『いいから』と言って先に行ってしまった。香水もまだ買ってないので一緒に買おうと思ったのに・・・