「お腹すいたー」

由里はあれもこれもと注文し、咲ちゃんも驚いていた

「由里ちゃん、すごいよね」

「えっ?私ですか」

「いつもこんなに食べるの?」

「はい。でもちょっと少ないかなぁ」

驚きの発言に咲ちゃんは唖然としていた。二人の会話が可笑しくって私は笑っていた

ポテトを頬張りながら由里が咲ちゃんに

「咲ちゃんもう少しで3年生ですねぇ。大学とか行くんですか?」

健太も3年生になるんだ

「どうだろうね・・・まだ決められないかなぁ。学と同じ場所にいたいしね」

咲ちゃんは外を見て、歩いている人達を眺めていた

「亜美はどうなの?このまま健太くんと一緒に住んで結婚でもする気?」

「はあ?」

ぜんぜん考えていないことを言われて心臓がドキッとした

「だってぇ、もう一緒に住んでるじゃん。来年健太くん卒業でしょ。このまま行って亜美も高校卒業しちゃえば結婚しかないじゃん」

「私は今はまだ結婚とか考えられないよ。健太にも夢があるし、それを一緒に叶えられたらって思うだけで・・・」

「亜美ちゃん。もしもだよ、みんながこのまま音楽を続けたくて、東京に行きたいって言ったらどうする?」

東京・・・音楽を続けたいと言うなら健太はきっと東京に行くって言うのだろう・・・

「・・・着いて行けるなら着いて行きたいけど、私はまだ学校があるし。考えたことなかったです」

「亜美ちゃんにしろ由里ちゃんにしろ、いつかこのことで悩むことがあるんじゃないかな。厳しいだろうけど、あいつらはここで終わらせないと思うよ・・」

咲ちゃが言っていることはよくわかる。でも今はまだここにいる。私には先のことを考える余裕はない

「私はその時が来たら考えます」

由里がはっきりと私と咲ちゃんに言った。私も由里と同じ考えでその時が来たら考えよう。今を大切にしよう。そう思った