「亜美、おいで」

健太が呼んだ。よし、大丈夫

「うん、今行くね」

お風呂へ行き、脱衣場の鏡を見た。そして自分の姿を見てみた

「あっ…」

首から胸にかけて赤い跡が付いていた

「健太!これいつ付けたの?」

「今頃気付いたの?昨日、亜美が気絶してる時に付けた。朝、気付けよな」

「朝は急いでて…」

まったく知らなかった。制服着る時、もう付いてたんだよね

「早くおいで」

私はいつものようにジャポンと湯船に入った。でも健太は先に予測し、顔をあっちへ向けた

「今日はお湯かからなかった」

意地悪そうな顔で笑い、私の後ろに来た

「亜美、俺が曲作りしてても気にしなくていいから。曲作りしてる時、亜美をかまってやれないけど、声かけてもいいし、テレビ見てもいい。隣で宿題やってもいいから、別の部屋に行こうとするな。眠い時はいいけどな」

やっぱり私の行動も健太には隠せなくて、ちゃんと私の気持ちをわかってくれる。私がさっきまで自分が邪魔なんだと思ったことがバカみたいに思えた

「わ…たし…邪魔だと思って…」

泣かないと決めたのに健太の優しさで決意が緩み、涙が出てきた

「ごめんな。そんな思いさせて。亜美は邪魔じゃないよ。俺の視界にいないと困る存在なんだよ」

後ろから抱きしめられた健太の腕を握った

「ずっとここにいて」

「いていいの?」

「俺がいてほしいし。だから泣くな」

ウワーン

安心して大粒の涙がこぼれる

「子供みてぇ」

笑いながら私を前に向かせ、

「自分に自信を持て。俺がこんなに好きなんだから」

「うん」

私は愛されてる。健太にこんなに愛されているんだ