帰ってすぐ着替え、私は晩ご飯の準備に追われた

その間、健太はギターを持ち、歌を歌いながら曲作りをしていて、私は健太の歌声を聞きながらオムライスを作った

「よし出来た!」

「健太、ご飯だよ!」

「うーん」

ソファから立ち上がり、ギターを立てた

「うまそー」

「はい、食べて」

「いただきまーす」

おいしそうに食べてくれる健太を見ると作ってよかった、と思う

「うめ~」

「ほんと?よかった」

ペロっと食べてしまい、私のオムライスを見ている

「私、お腹いっぱいだから私の食べて」

「やった!」

私の食べ掛けを持っていき、それも全部食べてしまった

「うまかった。亜美、明日もオムライスね」

「また?飽きないの?」

「うまいから明日も食べる」

「うん、じゃあ明日もオムライスね」

ニコニコしながら一服し、また作曲に取り掛かった。私は茶碗を洗ったりと後片付けをしていた

真剣に曲作りをしているのを邪魔したくないので、健太の部屋で明日の宿題をすることにした。静かにドアを開け入ろうとした時、

「亜美どこ行くの?」

見つかってしまった

「あっ、明日の宿題やろうかなって」

「ごめん、かまってやれなかったな。もう辞めるから」

「いいの、続けて」

「俺もう終わったから。風呂貯めてくるな」

気を使わなくていいのに。私がいるからだよね
いなかったら曲作っていられたよね
邪魔かな…そう思うと鼻の奥がツーンとしてきた
でも息を止め、一呼吸をし涙を堪えた

泣いちゃったら健太がよけい気にしてしまう。だから泣かない