ｸﾘｽﾏｽから毎日、健太くんと過ごしていた
明日は年越しﾗｲﾌﾞがある

ﾗｲﾌﾞﾊｳｽで由里と一緒にｶﾞﾗｽ越しにﾘﾊｰｻﾙを眺めていた

「今年もあと一日で終わるねぇ」

由里がﾎﾞｯｰとしながら言った

「早いよね。いろんなことがありすぎた年だったね」

凌と別れ、健太くんと付き合う。別れと出会いを二つ味わった

「本郷どうしてる？」

「ｸﾘｽﾏｽｲﾌﾞから会ってない」

「そっか、彼女出来たって噂も聞かないとこみるとまだ亜美を思っているんだろうね」

坂下が別れたという噂や、
また新しい彼女が出来たと言う噂は聞くけど
凌の噂を聞くことはなかった

「慎なんてすっかり軽い男になっちゃって。今思えば別れてよかったなぁって思うよ」

私はどうなんだろう
凌と別れてよかったのだろうか
あのまま何もなかったら2回目のｸﾘｽﾏｽを迎えていただろうか

「亜美、未練ない？」

「はあ？ないよ。健太くんといて幸せだし」

「健太くん優しいもんね」

優しいすぎて私にはもったいないぐらい
凌に対しての未練…凌を見ればﾄﾞｷｯとするし、
でも健太くんといる時は忘れている
健太くんとはずっと一緒に居たいし、
大好きだし、
大切にしたい
ただたまに私の中に凌が現れるんだ

「私も亜美もいい人に恵まれてよかった」

「この出会いを大切にしないとね」

私はそう思った