姿が見えて来た

その瞬間、滝のように涙がこぼれる

次から次へと涙が落ちていく

「健…太…くん」

ハァハァハァ

「やっと見つけた」

私をおもいっきり抱き締めた
健太くんの心臓の音がすごくて、かなりの早さで動いている

「ごめんな。あいつに言われていなくなったんだよな」

私は胸にうずくまった

「全部嘘だから。あいつの言ったこと嘘だから!」

「えっ?」

びっくりして健太くんの顔をみた

「自分が男とうまくいってないからって、亜美をだましたんだ。たまたまマックの前で見て、俺らをうらやましく思ったみたいで別れさせようって考えたらしい。だから妊娠してたこともすべて嘘だから」

ウワァーン

安心してしまい、一気に力が抜けてしまった
それを健太くんが受け止めてくれる

「嘘でもそんなこと聞いたら傷つくよな。亜美は、優しいから俺と別れようと思っていなくなったんだろ」

「すげぇ探して、2人の行ったとことか考えて、最後に海を思い出したんだ。そしたら亜美いて。めちゃくちゃ嬉しかった」

「健太くーん」

子供みたいに声を出して泣いた

「せっかくのクリスマスなのに、ごめんな」

「戻って来てくれたなら、それでいいの。すんごく悩んで。離れたくないのに別れたくないのに、でもあんな話聞いたら健太くんとはもう一緒にいられないって思って」

よしよしと頭を撫でててくれた

「昔にちゃんと別れてるから。もう何もないから」

うん、と私は頷いた

「体冷たいな。早く帰って一緒にお風呂入ろ」

「私…一緒にいてもいいの?」

「俺が亜美と一緒じゃなきゃだめなの」

そう言ってくれた健太くんは優しく微笑んだ