凌が来た

「川崎さんも一緒なのか?」

「私が呼んだの。いてほしいって」


「亜美・・やり直そう」

言われた瞬間、
グッときてしまい私は唇をかみ締めた

「凌、私はもう戻れない。凌が浮気をした時、あの時から私は凌とは一緒にいられないって思ったの。私、浮気をしたことが許せない。…今でも」

凌はとても切なそうな顔をしている。

「私は健太くんと一緒にこれからもいたい。だから私のことはもう・・・嫌いになって」

「嫌いになれるか。俺は無理だ。そんな簡単に亜美を嫌いになんかなれない」

「じゃあなんで浮気したの?なんでそんなことするの?凌が浮気しなかったら別れてなかったよ。…こうやって責めながら付き合っていくことになるんだよ。こんなの幸せじゃない」

そう言って私は、凌から貰った指輪をポケットから出した。これを返してしまうということは本当に終わりってことなんだ

「亜美・・」

指輪を受け取った凌が私に抱きついた

「ごめん亜美。俺が悪いんだ。馬鹿なことをして。亜美を失って、離れて亜美の優しさがわかった」

切ない。切なくて切なくて涙が止まらない
私もこんなに凌を好きだったよ。好きで好きでたまらなかったよ

「凌、幸せになって。、私じゃない違う誰かを思って」

「亜美以上に好きな奴なんてできねぇよ」

「大丈夫、凌は優しいから。私行くね。健太くんが待ってる」

私は両手で凌の腕を掴み、押した

「亜美、愛してる。この気持ちはきっと変わらない」


「凌…あり…がと…」
私は走って向こうで待っている健太くんまで走った
もう振り向かない。何があっても

私は思いっきり健太くんの胸に飛び込んだ

「頑張ったな」

私の頭を撫でてくれた
「大丈夫か?」

「私を離さないで…ギュッとして」

私の言った通りギュッと抱き締めてくれた

「うちに行こう」

私を離さず手を握り健太くんの家まで歩いた