「もう泣くな。お前が泣くと辛いし」

「うん、ごめん」

「笑っている亜美が一番かわいいから」

そう言ってすぐ前を向いてしまったので私は後ろから抱き付き、

「照れてるんだー」

と冷やかした。健太くんは私の手を握って

「帰るぞ」

「うん」

来た時とは違いお互いにすっきりした気持ちになり、
穏やかな風を切り、自転車を走らせた

「由里達どうしたかな・・・?」

「電話してみる?」

健太くんは携帯を出し、祐介くんに電話をした

「俺、どこにいんの?」

「あっ、うん」

話す内容がわからないので私はジッと待った

「今から行くわ」

えっ?どこに?

「祐介の家に行くわ。亜美もな」

「えっ?どうなったの?教えてよ」

「行ってからな」

「いじわるぅ」

ハハハハッ

笑って誤魔化された

祐介くんの家も私と健太くんの家の近くだった
玄関の前に自転車を止めて中に入った
由里のサンダルがある・・・