「頭痛ーい。あれ?ここどこ?」

見たことがある部屋で私は目が覚めた

健太くんの家だ・・・
健太くんはソファの上で丸まって寝ている
私は近づいて健太くんの顔を除いてみた
凌とはまた違う顔で目鼻が整っていて、
モデルみたいな顔
この人はいつも辛い時、私を包み込んでくれた
いつも私を支えてくれた
嫌いじゃない。でもまだ凌を超えれない

「何見てんの?」

「ギャー 起きてたんですか?」

「うん。ってかお前酒くせぇ」

「ほんとぉ?やだぁ~ウッッ頭が痛い・・」

大声を出すと頭が痛くなる

「飲みすぎなんだよ」

「だってすごく楽しくって。ついつい飲んじゃった」

「ばかだな」

「ひどぉーい」

笑って、私の頬をつねる

「風呂入って来い。すっきりするから。ほらタオル」

私にタオルを投げてよこした

「うん」

こんなに健太くんは優しい。凌ではない違う人。この人に甘えてみようかなと思ってしまう

お風呂から上がり、

「俺も入って来るわ」

そう言ってお風呂場へ行った

ふと、一人になると昨日の凌の言葉を思い出した
『俺、待ってるから』凌はそう言った
でも私は凌に戻ろうとは思わなかった
それは私から別れを切り出したから・・・
待ってると言われたからと言って、
戻れる訳ではない。今は、これでいいんだ

「亜美さ」

お風呂から出て来た健太くんが私に問いかけた

「昨日どうやって帰って来たか知ってんの?」

「うん?あれ?私なんでここに居るんだろ?」

「嘘?マジ知らねぇの?」

「はい・・」

本当に知らない。店の外でみんなで喋ってて、それから・・・

「帰るって暴れて、その場で寝たんだよ」

「えっっっ!?」

「で、おんぶして帰って来た」

「・・・重かったよね?」

「すんげぇ重かった」

と言って笑っている

「・・・」

「重くねぇよ。逆に軽くてびっくりした。前抱えた時より軽くなってた。お前痩せすぎ」

そう言って頭をクシャクシャにされた

「だから飯おごるから食いに行こう」

「やった。いっぱい食べようっと」

そんな私の姿を見て微笑んでくれる