会場はすごい音で顔を近づけないと聞こえない状態だった

「すごい」

「連れて来てよかった」

健太くんはニコッと笑った

「健太くんはここにいていいの?」

「お前、えらいな。敬語使ってないじゃん」

「ほんとだ」

「俺これから裏でリハーサルだから一緒に行こう」

「私も入っていいの?」

「うん」

彼女でもないのにいいのだろうか

周りを見ていたら…坂下と女がいた
お互い顔近付けて喋っている
まさか凌もいる?キョロキョロして探して見たけどいないようだった

「どうした?」

「知ってる人がいて」

「そっか」

「危ないから」

健太くんはそう言って、
私の肩に腕を回した
この姿を凌が遠くから見ていたことも気付かないでいた