いた。凌がいる
あの後ろ姿で私は凌だとわかってしまう
後ろ姿だけで胸がキュンとなる
片思いの時の自分を思い出した
あの時と同じ感情。大好きな凌
風の噂でどこかでバイトをしていると聞いた
私と別れて凌も前へ進んでいるんだ

「暇ぁ~」

由里がだらけている

「見た?」

「うん、慎かっこよくなってた。なんかチャラくなってた。本郷は?」

「相変わらずいい男だったよ」

そんな話しをしながら体育館で由里としゃべっていた

教室へ戻る途中

「亜美」

そう呼ばれ、凌?と思った

「健太くん・・」

「元気だったか?お前変わったな」

私はスカートを両手で持ち

「かわいいですか?」

ふざけてみた

「かわいいよ。お前はいつでもかわいい」

そう言って私の頭をクシャクシャと撫ぜた

「髪の毛乱れるじゃないですか」

誤魔化したけど、
頭を撫でられた時、ギュッと苦しかった
凌の仕草に似ていたから・・・

「昼休み屋上来れる?」

「あっはい。行けますよ」

「じゃあ来て」

なんの話だろう
凌のことかな・・・
そう思い昼休み屋上へ行くことにした