「好きになればなるほど相手を独占したいと思うしな」

健太くんは夜の空を見上げながら
フッと笑った
その横顔がかっこよくて、
だからモテるのだろうと思った

「そうですね。いろんなことがあり過ぎて馴れ合いになってしまって。お互い気を使うことを忘れてしまっているのかもしれません。来月で一年っていうのも忘れられてたりして」

急に悲しくなり泣きそうになる

「ちゃんと話し合え。感情だけで喧嘩したなら、なお更だ。落ち着いて話せば大丈夫だから」

そう言われて、凌は今何を考えているのだろう
私のことを気にしてくれているのだろうか
送って行かなかったことを
後悔しているのだろうか
私は空を見上げ、
明日ちゃんと話そうと思った