「亜美、血でてる」

「ごめんね、凌」

「何があったの?佐藤が教室に来て、亜美が呼ばれたって」

優しく私に問いかけてくれた

「健太くんが私を好きだって。それで先輩の一人が私のせいで振られたって・・最近付き合いも悪くて、私を好きになってからそうなったんだって。私ムカついて先輩にもんく言ったら、殴られちゃって」

「亜美つえー」

怒らないで話してくれた

「怒らないの?」

「ムカつくけど亜美が悪い訳じゃないだろ。ただ、川崎さんは本気で亜美のこと好きだって言うことがわかった。だからと言って亜美を渡す気なんてねぇし、亜美を離すきもねぇ。亜美は俺んだから」

ほんとは怒りたいのに怒らないで
私に優しく言う凌の気持ちが嬉しかった

「でも怖かった」

子供のように泣き出した私に

「また俺じゃなく、川崎さんに助けられたな」

この言葉を言った瞬間、
凌が何も出来なかった自分を
責めてしまうんじゃないかと心配になり

「凌は健太くんから私を助けてくれたよ」

そう言って凌に抱きついた

ギュッとしてくれる凌の腕に
私はこの人から離れたくない、と強く思った