「腹減った?」

「ううん。まだ食べたくない」

「すげー痩せたよな。さらに細くなった。飯だけはちゃんと食え。痩せすぎだから」

「うん、わかった」

私は眠れた嬉しさのあまり自分から凌に抱きついた

「亜美ちゃん、布団の中で抱きつくのは俺には残酷なんだけど」

「いやだ。離れない」

「俺、理性保てなくなる」

凌は遠慮して私に手を出さない
それが凌の優しさだとわかっているが、
逆に我慢させていることが辛かった

「凌、していいよ」

「はあ?」

「私に気を使ってるよね。あのことがあってから」

「・・・」

「私、大丈夫だから」

本当は大丈夫ではない
怖くてたまらない。でも凌を我慢させたくない

「うん、わかった。亜美の気持ちだけで十分」

やっぱり気を使ってる。それが苦しい

「行こう!」

「どこに?」

「ラブホへ」

「えっ?」

「ほら、亜美」

凌の手を引っ張り、外へ連れ出した