恋色語

「高梨さん…でしたっけ。姉さんは学校でどんな人でしたか?」


片桐からそんな言葉が出るとは思わなかった。アルバムを見て何かが動いたのかな。


「ん。明るくてよく笑って、いつも面白いことを提案して」

「それはここから想像がつく。ここから分からない…もっと掘り下げたことを教えてくれ」


アルバムの上に手を置いてそう言う片桐。
私からも知りたいと思えた。事故の後、散々後悔して、自分を責め続けたから。それでももう絢香さんの声は聞けないから。


「そう。絢香さんに似て強引ね。
絢香さんは私の一つ上の学年でね、新聞部の部長だったわ。いつも部員…四人しかいなかったけどね、八木と私、そして絢香さんとその親友の日高さん。

何でも絢香さんが中心で活動してた。同時に憧れだった。全員が嫌って言わないと言うことに拒否権なんてないんだから」