「ねえ怜、そろそろ誕生日でしょ。何かほしいのある?」

「…別に」


怜が冷たい態度をとっても絢香さんは明るく接していた。

いつでも、何度でも。それが家族だから。家の中でも一人じゃ寂しいから。


「12月8日ね。楽しみにしてて。んじゃ」

「だからいらねえって…もういねえ」




そんなことがあった後も、絢香さんは怜に誕生日プレゼント何が良いか聞き続けたらしい。

冷たくあしらわれようとも関係なく。


そうして誕生日当日。


「ねえ怜ー、今日お誕生日でしょ。プレゼント何がいい?」


この日も怜は勉強してて、絢香さんは後ろからちょっかいをだしていた。


「だから何もいらねえってウザイな」

「ホントに何も?」