恋色語

「旭さ…ん?」


その声で振り返ると神宮寺さんがいた。両手に花束を持って…。


「神宮寺さん…わた…わたし…」


涙はぬぐってもまた出てきた。

神宮寺さんは1度ゆっくり頷いてから、枕元の机に花束を置いた。

そして




私の手を握った。


「分かってる。何も言わないで。ゆっくり考えよ。ね」

「うん……うん」



まだ私が泣いてるのに気づいてそっと抱いてきた。私は神宮寺さんの肩で声を出さずに泣いた。




……………

私達は病院を出て、公園で話すことにした。もう落ち着いて涙は止んでいる。


「ごめんなさい私…あ、神宮寺さんありがとう」

「1つずつ言いなよ。ごちゃごちゃになってる」

うぐっ、そうだね。今聞かないといけないことがある。多分神宮寺さんにしか聞けないこと。


「1ついいかな。無理なら構わない。なぜ…片桐のお姉さんは昏睡状態に?」

「それは今聞いて大丈夫?それが辛いことならまた旭さんは心が痛むよ?」