恋色語

ここ一帯がまるで切り取られた空間のような、そんな静かな場所だった。


「神宮寺さんお待たせ。早いね」


公園に着くと既に神宮寺さんは来ていた。綺麗な長髪がふわりとなびく。


「話って何かな」

「…怜とはどういった関係なんですか?」


まただ。もう聞きなれてしまってきてる。どうせその先は…


「神宮寺さんも、私と片桐は会ったらいけないって言うのですか?」


神宮寺さんは何か話そうとしたが、グッと止め開いていた口を閉じた。

そして一度だけ頷いてしまった。


「どうして。どうしてなの?私に思い当たる節なんかない。何で」

「…怜には秘密にして。」


うん、と短く返事をする。


「実は怜にはお姉さんがいるの。でも、その人はある事故で入院してて…っ、これ以上は言えない」

「分からない。たったそれだけで分からないよ」


片桐にお姉さんがいたのは驚いた。ただそれを含め、入院してるのも、私とは何の関係もない。