恋色語

「どうでもいいけど仕事しないの?」

「嬉しいくせに話そらすな。そいじゃ二人、正式部員な」


八木に言われて中村は顔を背けた。それを覗き込む佐織だが、難なく離された。


「ふふ。はい、じゃあ新聞部5人で決定っ。2人共、これからもお願いね」


うん、これからだ。私達の高校生活は始まったばかりなんだ。

後悔しない道は選ばない。あとはそれだけ。


………

「っし。今日は終わり。続きはまた明日な」


部長の一声で今日するべき事を終える。

時刻は17時30分前。神宮寺さんとの約束には間に合いそう。


「佐織、今日ちょっと寄るとこあるから先帰ってて」

「ん、じゃ明日ね」


校門で佐織と中村と別れる。公園には1人で行かないと。

神宮寺さん…なんだろうな。