恋色語

「多分…楽しくなんかないと思います」


もし、片桐と屋上で突き放された時の気分で部活しても…楽しめないと思うな。


「そうでしょうね。…つまり、ごく普通の日々を変えるのはその人の価値観次第なの。

例えば、おいしい物食べたり、趣味をしたり。それだけで一日が楽しくなるでしょ?」


高梨さんの言うことは合ってる。実際『楽しいこと』って、『その人が夢中になれること』なのかな。


「渚…私は入ろうと思う。きっと楽しいよ。用は私達が動いたら何だって楽しくなる、でしょ?」


佐織…。そうだよね、受け身じゃダメなんだよね。私達が自分から活動することで思い出になるんだよね。

楽しい『何か』を見つけるんじゃない。これから『何か』を探すんだ。


「うん。部長、高梨さん。私と佐織は新聞部に入部します」


決めた。後悔なんてしないしする気はない。新聞部で高校3年間を過ごして、入部して本当に良かったって言えるくらい楽しくしよう。