恋色語

「おはよう。なーに考えてるの!?」


後ろから突然やってきた佐織が私と中村の手をとった。


「何でも。つか手を離せって」

「握ってていいよ。こいつ、さっきまた私をからかったから」

「そう?…じゃあ手綱かけとく」


顔を背けて手を離そうとするけど、佐織はなかなか離してくれない。

これで中村は無力と化した。




………

「雨…降りそうだな」


昼休み、佐織とお弁当を食べてると気づいた。傘持ってないや。天気予報見とけば良かったな~。


「傘ないの?私持ってるから一緒に帰れば大丈夫」

「ありがと佐織。でも今日少し用あるから先帰ってて。傘なら近場のコンビニで買うから」


放課後図書室に行ってあの夢について調べたい。同じ人が出てきて、何度も見る夢。

そういう本は多分あると思う。


「言えないこと?」

「私1人の問題だからあまり他の人には」

「分かった。新聞部のみんなには私から言っとくね」