恋色語

「お~リンゴみたい。ほらほらクールダウン。冷ましてさ」

「うっさいうっさいアホー!!」


鞄も駆使してパンチするが、こいつことごとくいなしやがる。



ガアァン!!
最後の一撃が中村の鞄にクリティカルヒットした。


「ゼーハー。なかなかね。今日はこの辺で勘弁したげる」

「乱舞して息切れしただけだろ。とはいえ俺も朝から疲れた。

で、旭って片桐と知り合いなの?」

「あいつとは…もう関係ない」

「『もう』ということは知り合いか」


うぐっ。バカ。こいつは用心深くしないと、私の心が無防備になっちゃう。


「そう言うあんたはどうなのよ。知ってそうな口振りだけど」

「ん?俺と片桐って中学から友達で、今も同じクラスだけど」


え!?中村と片桐ってそんな仲だったの?

外見いいけどぼーっとしてる片桐はいいとして。腹黒で人の不幸を喜びそうで毒舌で魔界の王みたいな…


「おい、今ムチャクチャ失礼な事考えてないか?」

「べっ別に。あんたが私にした失礼な事ならある。胸に手を当てて考えてみ」