恋色語

「あ…渚ー、こっちこっち。おはよう」

「おはよう佐織(さおり)。行こっか」


校門で待っていてくれたのは一ノ瀬(いちのせ) 佐織。私の幼いときからの友達で、大の親友。

頼りになるし、賢いし、長くて綺麗な髪が特徴的な自慢の友達。


待ち合わせて早速、私達はクラス分けが記載されてる掲示板へと向かった。


「うぅ…人いっぱい」

「ん、閃いちゃった。私は左から読んで。渚は右から、ね」


そう言うと、てててと人ごみに消えていった。…なるほど早いな。


「えーと……あった」


旭(あさひ) 渚(なぎさ)。そう書かれた自分の名前。えーと…1年2組ね。

ん、やった。佐織も同じクラスだ。


「渚あった?」

「うん、あったよ。ほらあそこ。私達同じクラス」


旭&一ノ瀬という、出席番号一番確定な名字も少しは役に立つ。


「やったね。じゃ、教室行こ~」