恋色語

「おーら働けお前ら。ここで記事逃すと自分に返ってくるから覚悟しろ」

「家庭科部の部長さん、私達も作りかけのを手伝うわ。

渚ちゃんと佐織ちゃんもお手伝いお願い。というわけで、八木と中村君、手伝わないと食べれないから」

「「うげっ…」」


うわぁ…。高梨さん本当にしっかりしてるなぁ。働かない奴らの扱い方もよく分かってらっしゃるし。

それから私と佐織と中村君+家庭科部のグループでケーキを作ることとなった。


「…スポンジってこのまま食ってもうまいよな。一ノ瀬、食っていいか?」

「ダーメ。クリームぬって、イチゴのせてからね。はいこれ、しぼるやつ」


中村の手にクリームの入ったしぼり器が渡るとおとなしくぬり始めた。


「まあこんなもんだな。旭、ちょっといいか?」


?、何だろう。クリームをぬり終えた中村に突然呼び出された。


「何?」

「何か聞こえないか?こう…ブーンって。耳を澄ましてみろよ」


…何も聞こえない。目を閉じて音に集中するか。