恋色語

「あ…あーはいはい分かりました。じゃあ一人でここにいれば?そっちこそ近づかないで。

…最後に一つだけ聞かせて。私に質問あるって言ってたの、何?」


答えられないなんて聞かないと分からない。くそくだらない質問ならバカにして帰ってやる。


「だからお前に答えられ…」

「そういうのいいから!それと私はお前じゃない、旭 渚。覚えてないの?小脳なの?片桐 怜」


立ち上がり、今度は私が攻める。拳を爪が食い込むくらいに握った。


「じゃあ答えてみろよ旭。…ふぅ、俺はこの世界にいるのか?」


えっ…どうゆう意味?さっきとは違う顔。私を試すように、答えるのを待つような。


「俺は存在しているのかって聞いてんの。…答えられないだろ。俺がいなくなっても変化はない。

この世界に俺は必要ないんだ。居場所なんて…ないんだよ」

「違う。だって片桐は今ここにいるじゃん。あんたがいなくなれば悲しむ人だって…」