恋色語

「渚、体験入部なら入ってみない?私達入りたい部活なかったし。ね、ね」


廃部と聞いて佐織はやる気だ。八木は気にくわないけど高梨さんのためと考えれば。


「…分かった。佐織がそう言うなら体験入部します」

「あら。旭 渚ちゃんと一ノ瀬 佐織ちゃん。じゃ、明日からよろしくね」

「おう来い来い、えーっと…佐織っちと…スーパー・ドライ」


わざとだろ。手でGOOD+笑顔でそう言われるとムカつくんだけど。


「なんかいい匂いするけど何かあったの?」


…はい?いきなり部室の奥から一年の男子生徒が顔を覗かせた。

ん、奥にカーテンでしきられたベッドがある。保健室みたいな。資料室は倉庫となってるなぁ。


ってあいつ…。


「あーーっ、あんたは」

「渚知り合い?」


覚えてる。入学式そうそう迷子になった私を裏口に誘導したやつ。


「あ、学校で迷…」

「あーあー!!言うな」


恥ずかしいから。