恋色語

そっか、みんな帰って…もう来ないんだね。本当に私達次第になった。


「部活維持は3人。体験入部でもいいから入らないかしら?

…あ、何かお出しするわね」


高梨さんはそう言ってティーパックをきゅうすに入れ、ポットからお湯を注いだ。



数分後、私達の目の前には緑茶と和菓子が人数分並んだ。

ちなみに道具や食料は棚から取り出した。


「あ、どうも。ってこれ部屋を私物化…」

「うふふ、お偉いさんには秘密ね」


逆らえないなぁ。和菓子もおいしいし、優しいなぁ。憧れる。


「ふふふ、うちの部活の秘密を知ったんだ。体験入部はしてもらうぞ」

「なっ…。どうしてそれを決める権限があんたに」

「ほーう。美樹のお菓子…うまかったろ?」


ぐっ…。しまった、つい餌に食いついてた。バコッと高梨さんが八木におぼんで叩く。


「こら、無理強いしないの。気にしないで。ただね、私としても入ってほしいなぁなんて」