恋色語




「ふぅ、とりあえず来たものの」

資料室と書かれたプレート。ここか、まあ興味でなかったら廃部になってもら…はぁ、本当にどうしよう。


「入ろっか。失礼し…」






ガララ…。




「え、え、渚何?これ何があったの?」


佐織が驚くのも無理はなかった。私がドアに手をかけようとした瞬間、室内からドアを開けられたから。

そして部室からは新入生の男子と女子がゾロゾロゾロゾロ…。


「あー騙された」

「親切心を騙すなっての」


室内から出てきた人達はみんなそんな事を言ってる。

どこまで続くの?…あ、やっと終わった。人多すぎだって。


「渚、GO~」

「なんでヒソヒソ声?いいけど」



そ~っとね。


人ごみが開けっ放しにしたドアから静かに中を覗くと、男子生徒と女子生徒、合わせて二名いた。

どちらも3年生か。男子生徒の方は昨日の人だ。


「嵐の後の静けさみたい。佐織、私達もこの流れに便乗しよ」