恋色語

結局この日は帰ることにして、また次回決めることにした。


「部活決めるのも大変だね」

「そうね。時間かけて決めていきましょ」


と佐織は言うけど今日で大分目星は潰れてしまった。

用はこう…グッとくる部活がなかった。


「ん、そこの新入生でかわいい子二人組ちょっと待った」


学校を出ようとするとそんな声が後ろから聞こえてきた。

明らかに嫌な想像しかできない言葉だなおい。無視無視。佐織行…

佐織は私が制止するより先に振り返ってしまっていた。


「お前ら新入生だよな。部活がどうとか言ってたけど入る部活決まった?」


3年生ね。男子生徒で背は高い。勧誘するつもりか。

戸惑う佐織。きっとビラもこういった感じだったな。助け船出してあげよう。


「はい、もう決まってますので。それではさようなら」

「?。渚、まだ決まってないんじゃなかったっけ」


ぐおっ。そうだった、佐織は親切すぎて嘘がつけないんだった。